新型コロナ追跡データの活用アプリ

日本では、６月１９日から厚生労働省が、新型コロナウイルス接触確認アプリ（COCOA）の提供開始。これは、スマートフォンのブルートゥース機能を利用して、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受けることができるアプリ。

　「COCOA」は、「COVID-19 Contact-Confirming Application）」の略称で、お互いにわからないようプライバシーを確保しながら、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受けることができる。接触の記録は、ほかのスマートフォンとの近接した状態（おおむね1メートル以内で15分以上）を接触として検知。近接した状態の情報は、本人のスマートフォンの中にのみ暗号化して記録され、14日が経過した後に自動的に無効になる。この記録は、端末から外部に出ることはなく、利用者はアプリを削除することで、いつでも任意に記録を削除できる。なお、行政機関や第三者が接触の記録や個人の情報を利用し、収集することはない。GPSなどの位置情報を利用することはなく、記録することもない。

　インストール方法は、App StoreまたはGoogle Playで「接触確認アプリ」と検索してインストール。最新バージョンは「1.0.0」。動作可能なOSバージョンは、iPhone端末がiOS 13.5以上、Android端末がAndroid 6.0以上が必要。

  といったところだが、App StoreまたはGoogle Playでは、「COCOA」と入力してもヒットせず、「新型コロナ接触アプリ、厚生労働省」と入れると出てくる。

米国では、まず、こうした取組みは、アップルとグーグルの異例のパートナーシップが先行した。両社は濃厚接触者への通知を手助けするインフラを共同で構築したが、このシステムをはじめ大学が指揮を執る一部プロジェクトではユーザーがアプリを見つけてダウンロードし、使用可能にしなければ、データを収集することはできない。また、このアプリは、プライバシー上の理由から、濃厚接触の可能性を検出するアプリが、ユーザーのスマホの位置情報サービスにアクセスするのを禁じており、民の移動状況の追跡や感染拡大エリアの特定にあまり役に立たないと話す自治体当局者もいる。

　それが他のデータ提供会社に参入の道を開いている。

　キンサ（Kinsa）が開発した「スマート」体温計から収集したデータを使用し、サンフランシスコ周辺の発熱状況を追跡している。エックスモードは、コロナ感染症（COVID-19）のデータをアマゾンが運営するデータ共有システムで利用できるようにしている。

エックスモードは、サンフランシスコを本拠とするオムニサイ（OmniSci）とも位置データ提供契約を結んでいる。オムニサイは、位置データを使用した分析や地図サービスを連邦や州当局に売り込んでいるニューヨーク市をはじめとする米自治体当局は、非営利連合COVIDアライアンスが開発した「パンデミック・マネジメント・プラットフォーム」の利用を始めている。このシステムを使用すれば、介護施設を毎日訪れているスマホが夜はどこにあるかを調べることで、どのコミュニティーに介護施設で働く人が多く住んでいるかを視覚化できる。

エックスモードは、提携会社がデータを使用して個人を特定することを契約で禁じている。

やはり、プライバシーやセキュリティの問題が壁となっている。

カンザスでは3月、州政府がウナキャスト（Unacast）社の公開データを使用して住民の行動を追跡していたことが明らかになり、州議員やプライバシー保護団体から批判が噴出した。携帯電話や衛星利用測位システム（GPS）データの大量収集は重大なプライバシー問題である。カンザス州は未加工のデータに直接アクセスすることはできず、公開データから州や郡レベルで得られるのは匿名化された集約情報だけを利用している。

エックスモードは、提携会社がデータを使用して個人を特定することを契約で禁じている。

やはり、プライバシーやセキュリティの問題が壁となっているカンザスでは3月、州政府がウナキャスト（Unacast）社の公開データを使用して住民の行動を追跡していたことが明らかになり、州議員やプライバシー保護団体から批判が噴出した。携帯電話や衛星利用測位システム（GPS）データの大量収集は重大なプライバシー問題である。カンザス州は未加工のデータに直接アクセスすることはできず、公開データから州や郡レベルで得られるのは匿名化された集約情報だけを利用している。