自然は偉大なチャーチスト

自然と人間が為す相場との関係を考察するブログです。

今こそ、資本論(1)

その人はいつも愛車のミニクーパーで現れる!先進国の格差社会の到来を早くから予言し、アメリカの経済政策に影響力を持つ経済学者ロバート・ライシュ

 

アダ名はボブ。クリントン元大統領とはオックスフォード大学時代のクラスメート。「暴走する資本主義」「格差と民主主義」などの著作を発表し、アメリカの急速な格差の拡大に警鐘を鳴らしてきた。

 

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クリントン政権下で労働長官を務め、アメリカを代表する経済学者ロバート・ライシュ。身長147cmの彼は愛車のミニクーパーに乗って現れる。 本作の経済を知る旅は、ライシュ教授が教鞭を執るカリフォルニア大学バークレー校の学生で溢れかえる貧富論の教室から始まる。

 

彼は、アメリカの財政苦難の背景にある真実を明らかにすることによって、経済的な弱い者いじめに対抗することに人生を捧げてきた。ボブが経済格差に関する質問を次々と学生に投げかける。

 

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 1970年代以降、富はごく限られた富裕層に集中し、労働者たちは日々の生活に疲弊してきた。ロバート・ライシュは若者に語りかける、“変化を起こす者になれ”と。ピケティの「21世紀の資本」が大ベストセラーになるいま、経済的な格差はなぜ存在し、広がりつつあるのか? 世界はグローバル化し、日本もその渦の中に巻き込まれてきた。いまこそ変革の時代、今こそ、資本論

 

「格差そのものが問題なのではなく、その格差がいつ顕在化するかが問題なのだ。どの程度の格差までなら耐えられ、経済が回って、民主主義が機能し続けるのか。最も重要なのは、アメリカ経済の70%が個人消費で成り立っているという点だ。そして、中流階級こそがその中心である。経済を回しているのは中流階級なのだ。安定した活気ある中流階級の存在なしに、この先長きに渡り経済を維持できる方法はない。ありえないのだ」 -ロバート・ライシュ

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資本論」は「革命の書」ではなく、資本主義というシステムの本質をえがきだした書である。

 

マルクスは、豊かな経済活動とともに、格差を伴う資本主義というシステムに飲み込まれないため、忠告を与えてくれた。資本主義社会を俯瞰しその問題点をあぶり出した、マルクスから現代の人々へのメッセージです。

  

 14世紀に流行したペストは中世の古い封建的秩序を壊し、ルネッサンスへの道を開きました。きっと、このコロナショックも次の新時代への道を開くに違いありません。

 

今、歴史的な変化が起きようとしています。

 

新型コロナウィルスの世界的な蔓延で、世界中で緊急事態宣言が発令され、ロックダウンの措置が取られました。人の動きが止まり、お金の動きも停滞しました。多くの人が解雇され、多くの会社が倒産に向かっています。アメリカでは、歴史的な問題である人種差別問題(BLACKLIVESMATTER)が大きな社会問題となり、世界に広がっています。

 

人々の意識は確実に変化してきています。3カ月間、その場に止まっていただけで、経済が回らなくなるなんて。この世界のわい弱さと不合理さを疑問に思い始めています。また、今まで時間に縛られて働いてきた、いや、働かされていたその働き方にも大いに疑問を持ち、自問自答し始めました。

 

何のために、人は働くのか、それが幸福を得られる道なのか?人間の命の重さとは?お金で評価されるものなのか?ーという基本命題をも突きつけられてきます