自然は偉大なチャーチスト

自然と人間が為す相場との関係を考察するブログです。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ドイツの消費減税と日本の消費税

ドイツは、7月1日から、日本の消費税にあたる付加価値税を減税する。 (日経新聞、6月4日) 「ドイツのメルケル政権は、6月3日、2020~21年に実施する総額1300億ユーロ(約16兆円)規模の新たな景気対策をまとめ、消費税に相当する付加価値税を期間限定で3ポ…

ビッドワールド 「Fall; or, Dodge in Hell」

SF作家のニール・スティーヴンスンは、880ページの『Fall; or, Dodge in Hell』で、いまや自身の代名詞と呼べるまでになった多数のテーマを巧みに操っている。歴史、未来、そして科学だ。 知識はいかにして力を生み出し、その力はいかにして永久に続くものに…

覇権の変遷と米中関係

覇権国家は必ず衰退する。 覇権国家があり、それに挑戦する新興国家が現れると、大きな確率で戦争になるという「トゥキディデスの罠」。 ハーバード大学ベルファー・センターの研究では、過去500年にわたる新興国とその挑戦を受ける覇権国との関係を示す16の…

金とNYダウは逆相関の関係

第1フェーズ:1973~1980年 NY金 : +1,169%(約12.7倍) 63.9ドル(1973年安値)→875ドル(1980年高値)NYダウ : ▲27.7% 1,051ドル(1973年高値)→759ドル(1980年安値) 1960年代に米国の債務が膨張し、米国が米ドルと金の交換停止。2度のオイルショック…

アップルの「WWDC2020」

6月23日、毎年恒例のアップルのWWDC(Worldwide Developers Conference)が開催された。例年なら、米カリフォルニア州サンノゼに開発者やプレス関係者を集めて開催されるが、今年は新型コロナウィルス感染症の影響で、完全オンラインでのイベントとなった。…

東欧のシリコンバレー・エストニア

“東欧のシリコンバレー”とよばれ、ブロックチェーン技術を活用して、ほぼ100%の電子政府を実現し、ユニコーンと呼ばれる評価額10億ドル以上のベンチャー企業を次々と排出するエストニア。 シンガポール、イスラエル、中国の深センなど、世界ではシリコンバ…

第4次産業革命に出遅れた日本、フェーズ2から参戦できるか?

現在は、産業革命から200年続いた後、情報産業革命が起きている歴史的局面にある。これまではモノ・カネを主たるアセットとしたハードよりの産業とデータやAIを主たるアセットとした情報系産業とに分かれていたが、今後は産業分野にかかわらず、両方の経営資…

ジョブ型雇用

「あなたの仕事は何ですか?」 「会社で部長をやっています」 「企画部に所属しています」 もうそういう時代はオワコン。 それは、いにしえの日本企業の話。欧米や中国、台湾、韓国等の企業では、 ジョブディスクリプション(職務の定義)が確立されて、一人ひ…

格差を生むマーケット

調和や相互の尊重が株式相場の上昇に必要な要件でないことは、特にこの3年半の状況がよく示している。しかし金融市場とそれを取り巻く世界との隔たりは、この数か月間で過去にないほどの拡大を見せている。 新型コロナウイルスの危機的な感染拡大は、少なく…

こんな時こそ、二宮尊徳!!

二宮尊徳というと、「晴耕雨読」の努力の人というイメージだが、その本質は深く、「自然に従い、自然に逆らう」をモットーにした人であった。「自然に従う」、「自然に逆らう」という言葉はいかにも深い意味があった。 二宮尊徳は、今から200年程前、神奈…

アジアテック

1. ファーウェイが移り気な米トランプ政権に慎重に対応するのには理由があります。米政府は15日、ファーウェイが参加する5Gなどの国際基準作りの議論に、米企業が参加するのを認めると発表しました。この米国の制裁軟化の動きを受け、中国の通信会社の株価が…

能登丼

能登半島の先端に近い奥能登の石川県輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の飲食店約50店が2007年からキャンペーンを展開するご当地グルメ。 食材から器、箸まで地元産にこだわった「能登丼」。 世界農業遺産に認定される能登の里山里海は景観ばかりでなく、豊か…

「行列の女神~らーめん才遊記~」

「行列の女神~らーめん才遊記~」(TV東京、毎週月曜 午後10時放送)。 行列の絶えない人気ラーメン店のカリスマ店主、芹沢達美(鈴木京香)が率いるフードコンサルタント会社「清流企画」が、奇抜なアイデアと計算された手法で苦境にあえぐ街のラーメン店…

仮想オフィス

仮想空間にオフィスを設け、"出勤"するのは社員のアバター(分身)だけ――。 新型コロナウイルスのパンデミックを契機にこんな運営をするのが、米不動産会社のEXPワールド・ホールディングズ。 会議も株主総会もすべて仮想空間で完結する徹底ぶり。コロナ禍で…

スペイン風邪の第2波の死亡率

100年前のインフルエンザの世界的大流行「スペイン風邪」は、日本国内で大小3度の流行(1918~21年)を繰り返した。第2波は死亡率が第1波に比べて4倍超にはねあがった。100年前の経験に、新型コロナウイルスの「第2波」に対する備えのヒントはあるだろうか。…

「メンタル・アカウンティング(心の会計)」

「メンタル・アカウンティング(心の会計)」は、行動バイアスと呼ばれる非合理的な行動の一つ。 お金を考えるときに理論や理性よりも感情の方が強く出てしまう行動。 ちょっとぜいたくなランチに行くかどうか悩む時に「宝くじが当たったお金なら行くけれど、…

「100年前の日本」が今と驚くほど似ている事情(東洋経済)

「人類は、進化しているようで、実はそうではない。歴史は繰り返されているだけ・・・」 今から100年前の1920年は、日本は大正9年。 大正時代は、幕末維新の「混乱期」、明治の「発展期」を過ごした「安定期」。 その後、昭和は、太平洋戦争の「混乱期」と戦…

中国の5G戦略が世界をリードするが・・・

新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限が完全には解けていないのに、中国は5G関連プロジェクトにエネルギーを注入している。北京の中央政府は「5Gネットワークの建設へ向けて邁進する」とうたい上げた。 中国の国有通信事業3社は、既に100億ドル相当に…

ニューヨークの不動産市場に変化の兆し、富裕層がどんどん流出している(The New York Times)

“The Richest Neighborhoods Emptied Out Most as Coronavirus Hit New York City” 黒人差別に対する抗議デモがアメリカ各地に広がり、ニューヨーク市内にもデモに参加する人が大勢集まりました。 コロナ禍では、ニューヨークの超富裕層は優雅に別荘地で自主…

緊急時の政府債務

「今は政府債務の膨張を懸念する時ではない」 パウエル米FRB(連邦準備理事会)議長は4月29日の米FOMMC(連邦公開市場委員会)の記者会見でこう語った。中銀トップが財政政策に口を出す「越権行為」はたまにある。ただ財政規律を守るよう主張するのが普通で、パ…

ちょっと伸びたけど、「セル・イン・メイ」

「セル・イン・メイ(5月に売り抜けろ)」は、日本でも最近、よく知られるようになったウォール街の相場格言。今年は、例年に増してこの言葉がよく聞かれるようだ。 他の格言と同様、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ではあるが、季節性(アノマリー)は確…

「債務のわな」を脱する手法

1933年、当時の米FRB(連邦準備理事会)議長マリナー・エクルズは議会でこう証言した。 「金持ちは可能な限り貯蓄しようとしてきたが、もはや、恐慌となり富豪が所有する稼働していない工場や車両、閉鎖中の銀行が増加し、貯蓄する価値のあるものはない」 債…

コロナききを契機に起こるパラダイムシフト

コロナ危機が引き金を引いたが経済の悪化はなるべくしてなったといえる。 米国のように高水準の債務と貧富の格差が拡大していた国では、中央銀行にできる力は限界に達していた。これは1918年から1945年に起きた経済・金融危機とよく似ている。 中央銀行や政…

世界のスマホ市場を左右するファーウェイ

世界のスマートフォン市場も新型コロナウイルス拡大の影響を受け、売上げが急減している。 2020年第1Qは、前年同期比▲11.7%となった。2020年第1Qのスマートフォンの世界出荷台数は、合計2億7,580万ドル(295億1,060万円)。 世界のスマートフォンのシェア…

アメリカも構造改革やむなし

米国においては、コロナショックを受け、急速に経済構造が変化しだした。政策によって ウイルスを止めることはできず、休業やロックダウン(都市封鎖)も防げなかった。経済への影響と雇用状況との間にはずれがあるものだが、今回は通常よりさらに大きなずれが…

歴史は繰り返す

緊急事態宣言が解除されたが、なんかすっきりしない。新型コロナウイルス感染をまだ、克服していないからであり、世界的には、まだまだ感染者数も死亡者数も増加の過程にあるからである。 様々な分析や対策が出てはきているが、どれもこれもまだ決定的なもの…

第4次産業革命と日本

未来に向けて、いま日本が直面する課題は何か? 今回の新型コロナウイルスの感染拡大もあり、時間を効果的に使う働き方とことで、「テレワーク」や「在宅勤務」という柔軟な働き方が生産性向上に役立つという考え方が広く言われるようになってきました。 こ…

日本の人口減と技術革新

日本は人口減少と同時に高齢化が進んでいる。日本の人口動態は、今から約100年前の大正時代の頃、人口は約5,000万人であったが、100年かけて現在の1億2,000万人となった。国立社会保障・人口問題研究所によれば、100年後の2115年の将来人口は5,055万人になる…

今こそ、「資本論」(2)

経済貧富格差や環境破壊は、資本主義につきものの言葉です。一面で、一刻も猶予ならず放置できない喫緊課題として、他面では、「自己責任論」と「総論賛成だが各論反対」などといった資本に好都合な逃げ道を用意しながら、議論は盛り上がりはします。しかし…

今こそ、資本論(1)

その人はいつも愛車のミニクーパーで現れる!先進国の格差社会の到来を早くから予言し、アメリカの経済政策に影響力を持つ経済学者ロバート・ライシュ。 アダ名はボブ。クリントン元大統領とはオックスフォード大学時代のクラスメート。「暴走する資本主義」…