自然は偉大なチャーチスト

自然と人間が為す相場との関係を考察するブログです。

ジョブ型雇用

 

「あなたの仕事は何ですか?」

 

「会社で部長をやっています」

「企画部に所属しています」

 

もうそういう時代はオワコン。

 

それは、いにしえの日本企業の話。欧米や中国、台湾、韓国等の企業では、 ジョブディスクリプション(職務の定義)が確立されて、一人ひとりが職務として何をしているか、責任をもって何を担当しているか、が明確です。

 

例えば、

 

「あなたの仕事は何ですか?」

 

プログラマーです、今週中に○○ソフトを作りあげます」

「商品の企画を担当しています。今月中に、売れる商品アイデアを3つ提案します」

 

と何を仕事としてやるか、何を目標に働いているかが具体的で明確です。

 

ジョブディスクリプション(職務の定義)を基にした働き方、これが、今回の「ポストコロナ」の働き方といわれている「ジョブ型」労働です。

 

日経新聞(6月8日)の記事>

 新型コロナウイルス感染拡大を機に普及した在宅勤務の定着に向けて、企業が制度の見直しに動き始めた。在宅勤務に限定した社員の採用を始める企業も出てきた。在宅勤務の広がりで、出社して働いた時間を前提とする日本型の雇用制度が変わり始めた。

 

国内企業の多くは労働法制の制約もあり労働時間に応じて賃金を支払う仕組みが長く定着していた。しかし、会社でない場所で働く社員を時間で管理するのが難しく、労働基準法で定められた残業代支払いルールに抵触する恐れもあった。

 

こうした問題を解決するため、企業はジョブディスクリプションで社員の職務を明示して、その達成度合いなどをみる「ジョブ型」雇用の導入を進めている。

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資生堂は少なくとも約8000人のオフィス勤務の一般社員を対象に2021年1月から「ジョブ型」雇用に移行する。このほどオフィス出社人数を5割にする在宅勤務継続を決定。管理職では今年1月に導入済みの「ジョブ型」の対象を広げる。資生堂は「遠隔でも職務に基づく評価がしやすくなる」としている。

 

 富士通も20年度から国内の課長職以上の約1万5000人を対象に「ジョブ型」雇用を導入し、その後他の社員にも広げる。時田隆仁社長は「新しい働き方では職責に応じた評価に変わらざるを得ない」と語る。

 

 既に日立製作所が約2万3000人を対象にした「ジョブ型」雇用の導入を表明。NTTグループも成果連動の評価制度を検討する。主要企業が成果主義へ移行することで、時間管理をベースとする日本の労務管理のあり方も変わりそうだ。

 

働く場所を選ばない在宅勤務が定着すれば、多様な人材を獲得できるチャンスも広がる。ソフト開発テストを受託するSHIFT(シフト)は、在宅勤務専門の正社員エンジニアの採用を開始した。シフトは「拠点を構える地域に限定しないことで、広く優秀な人材を採用できる」と説明する。

 

 オフィスに通えない遠隔地に住む人材も採用できるように、さくらインターネットは出社を前提としない雇用契約を今後、一部の機器保守要員を除いた新卒社員と結べるようにする。レンタルサーバーなどを手掛けるGMOペパボは6月から約330人の社員全員が原則在宅へと移行。「国内ならどこに住んでもいい」と採用条件も変えた。

 

 AGCは在宅勤務に伴う社員負担費用の半額を、1人当たり年最大12万円まで支払うことを決めた。ネット回線の利用料や作業用モニターの購入費などが対象。福利厚生サービスに使える社内ポイントの適用範囲を、在宅勤務関連にも広げる。

 

 長年、日本企業は出社や時間管理をベースにした雇用制度を維持してきた。コロナを機に広がる多様な働き方の実現は企業だけでは難しい。法制度を含めた労働行政も変化を迫られている。官民を挙げて社員のフォローが求められるが、もはや、社会は後戻りはできないであろう。

 

といったところ。たしかに、このコロナ禍でいろいろ考えさせられますよね。

 

欧米中等の企業は、さらにその先をいっている、

 

フリーランス型企業」

 

プロ野球でいうところのFA(フリーエージェント)のような社員と企業が契約していくこと。フローランスはその契約形態が個人事業主で会社とは契約しているにすぎない。当然、FAの人材は、高度な専門性を有した優れた人材。また、フリーランスは、外部に幅広いネットワークなど、社内にはないリソースを持っています。社内で共有している閉じた情報に加え、さまざまな人と広くつながる(浅いけど)“弱いつながり”(マーク・グラノヴェッター提唱/接触回数が多い、一緒にいる時間が長い、情報交換の頻度が多い、心理的に近い、血縁関係にある、といったような関係)が「強いつながり」よりも高度な情報社会では貴重であり、「弱いつながり」は多様な情報が流入することで、企業は新たなネットワークを構築できるようになり、イノベーションのきっかけになりやすいそうです。

高度な専門性をもった外部人材が少なくなくまあまあいる企業はつよくなります。

 

また、プロジェクト単位で専門家に業務委託ができるので、必要なときに必要なだけ人材を確保することができます。これは、人材確保にお金をかけられない中小企業や、スピード感を重視するスタートアップにとっては、大きなメリットになります。

 

これもジョブ型雇用の発展型。

 

少なくとも、名前だけの日本的“管理職”はいなくなるでしょう。米国企業の部長職は、30~40年前から「マネージング・ダイレクター」というが、マネージ(単なる管理)が行ではなく、マネージング(Maneging)は自ら先導して動くこと、を意味する。これじゃ、やはり負けるよ、“日本人”。将来にむけ、政治も経済も、家庭も働き場も、マクロもミクロも、考えていかなきゃいけない時にきている日本です。