自然は偉大なチャーチスト

自然と人間が為す相場との関係を考察するブログです。

言霊

 

日本には古来、言霊の考え方があり、言葉には不思議な力が宿るとされた。


 そう思うと、新型コロナをめぐって政府が設けた「専門家会議」の名には力強さがあった。会議はすでに廃止され、その役割を引き継いだのが「分科会」である。


 メンバーは重なるものの、何だか軽くなったような。次の分科会でお盆の帰省問題が扱われるというが、菅義偉官房長官によると「帰省に関する注意事項について専門家の意見を伺う」程度。帰省の是非などは論じてくれるなと言わんばかりだ。


 専門家の議論が、政府の観光促進策と矛盾するのを恐れているのか。そもそも「GoTo」事業に対し分科会は慎重な姿勢だった。感染の拡大を踏まえ判断に時間をかけるよう求めたが、受け入れられなかったという。


 個々人がそれぞれの事情に応じ、自分で考え、自衛する。それは当然だが、政府が無策であっていいということにはならない。軽んじられているのは専門家か、それとも私たち一人ひとりか?


 感染拡大の第2波が来たと、知事たちが口にするようになった。しかし政府の高官はなぜか「第2波」の呼び名を避けている。言葉を封じているうちは手を打たなくてすむとでも、考えているかのように。