自然は偉大なチャーチスト

自然と人間が為す相場との関係を考察するブログです。

テスラの時価総額、トヨタを抜く

 

テスラの時価総額。年初にGMを抜いたと思ったら、あっという間にトヨタ時価総額を抜いた。

もはや時代は変わったといえるのか?

 

米電気自動車(EV)最大手のテスラ社の時価総額が、トヨタ自動車を超えて自動車業界で世界首位になった。テスラの昨年の年間販売台数はトヨタの約30分の1にすぎない。ただ、EVに限るとトヨタは世界12位なのに対し、テスラは世界トップ。次世代の車とみられているEVで先行していることが株価を急上昇させている。

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 テスラの時価総額は7月1日、1135ドルとなって史上最高値を更新した。。時価総額は約2070億ドル(約22兆2300億円)に上り、トヨタの1日終値ベースでの時価総額(21兆7185億円)を上回った。

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テスラは2019年2月ごろまではリストラに追われ、株価も300ドル前後だった。上昇の契機は昨年11月末、斬新なデザインのピックアップトラック「サイバートラック」を発表したことだった。生産の遅れも長年の課題だったが、今年初めに堅調に生産が伸びていることが分かり、中国工場も本格稼働を始めたことで値が急騰。株価はいま、1年前の6倍近い水準だ。

 

 テスラは19年の引き渡し台数が約36万7500台で、ガソリン車を中心に同年に世界で1074万台を販売したトヨタには大きく見劣りする。それでも株価を伸ばすのは、世界で進む「EV革命」ともいえる流れに乗っているからだ。

 

テスラが5月29日発表した1-3月期(第1四半期)決算には、明らかに好材料が含まれていた。

 

売上高は約60億ドル(約6400億円)、納車台数は合計8万9000台弱に達し、アナリスト予想を上回った。温暖化ガスの排出枠(クレジット)を過去最高の3億5400万ドル相当売却したことも寄与し、1600万ドルの純利益も確保した。販売台数は10-12月期から19%減少したが、外出制限令で納車が滞ったことを踏まえれば、落ち込み幅は予想より小さかった。一方、2月に20億ドルの公募増資も実施したことから、3月末時点の手元資金は81億ドルとなった。いまや、テスラは、米株式市場で最もパフォーマンスの高い銘柄の一つとなっている。

 

 新型コロナウイルス危機は自動車業界に大打撃を及ぼしているが、テスラ株のバブルは競合他社に比べむしろ一段と膨らんでいる。

 

しかし、世界が深刻なリセッション(景気後退)に見舞われれば、通常なら高級車メーカーの株価が力強く上昇することはない。その上、原油価格が数十年ぶりの安値近辺で推移していれば、EVの魅力は薄れるものだ。

調査会社「EV-Volumes」によると、19年に、乗用車とSUV・ピックアップトラックを合わせた電気自動車(電池車、プラグインハイブリッド車〈PHV〉、燃料電池車〈FCV〉の合計)の世界販売台数は229万台。テスラ(約37万台)は首位なのに対し、トヨタは世界12位(約6万台)だ。


 「テスラが時価総額で他の全自動車メーカーを追い越したのは、すべて電気で動く車が世界の自動車業界の未来だ」と関係者は強気だ。

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 トヨタは6月、SUV「RAV4」について、PHVを日本国内で発売。北米や欧州でも夏以降に販売する方針だ。EV分野でどの程度巻き返せるか注目されている。